皆さんはスキニング、好きですか?
嫌いでも、苦手でも大丈夫です!
効率良くスキニングをしていくコツや流れなんかを理解すればきっと嫌いではなくなるはず。
この記事では私が長い時間をかけて考えた、効率の良いスキニングのワークフローについて解説していきます。
スキニングの4要素
皆さんはウエイトの設定をしているときに、いくら調整しても理想の動きにならない!となったことはありませんか?
実はスキニングってウエイトを調整するだけじゃなくて、他にも調整すべき要素があります。これから紹介する4つの要素を複合的に考えていかなければ、スキニング作業はいつまで経っても終わらないでしょう。
1. ボーンの動き方
まず一つ目はボーン、そして関節の動き方です。これは、モデルが人間の場合、解剖学などを学んで考えていきます。
「股関節はどの方向にどれだけ動くのか」や、「腕を上げるときは、肩や腕の骨はどう動いているのか」などを理解していないと、どれだけ上手にウエイトをつけたところで現実と異なる、人間でない不気味なポーズしか撮れません。
ですから、スキニングを始める前や、最中に身体の動きを勉強しておくと良いでしょう。
2. ボーンの位置
ボーンの位置は、ボーンの回転軸の位置を変えるため非常に重要な要素です。どんなにモデルが良くとも、関節の位置が不適切だと途端に不自然になってしまいます。逆に良い位置にあれば、もちろん見た目は良くなりますし、ウエイトの設定が楽になるという利点もあるんです。
特に注意しなければいけない関節は肩関節で、その位置によってキャラクターの肩幅を決めてしまいます。
作業中に不自然だと感じたら、ボーンの位置も確認してみましょう。
3. 頂点の位置
頂点の位置や配置の仕方は、作業のしやすさやボーンによる変形後のモデルの美しさに深く関わってきます。
頂点ガタガタで汚い配置だと、ボーンでモデルを動かした後に頂点がどの位置にいるのが正解か、というのがとてもわかりにくくなってしまいます。
レベルが上がってきたら、ボーンによる変形後のトポロジーも考慮しながらモデリングしてみると、グッとレベルが上がると思います。
4. ウエイトの設定
皆さんはどんな方法でウエイトを設定していますか?
おそらく最も使われているのはウエイトペイントだと思います。
Blenderにはウエイトペイント以外にも設定方法があり、私の知る限り4種類あります。
- ウエイトペイント
- 頂点グループ
- 頂点ウエイトメニュー
- 自動ウエイト
ウエイトペイント以外は知らないという方も多いと思いますが、実はウエイトペイントだけだと沼にはまる確率が非常に高いです。
なんでかっていうと、ウエイトペイントは細かな調整ができないからなんですよね。
これが通称ウエイト沼にはまる原因の一つでもあるんですよね~笑
ウエイト設定という項目内にも、効率の良い方法があります。
今回は4つのウエイトの設定方法の内、ウエイトペイント、頂点ウエイト、頂点グループの3つの方法を用いたワークフローを紹介していきます。
ウエイト設定のワークフロー
今回紹介するウエイト設定のワークフローはこんな感じです。
- まず大まかな設定を ウエイトペイント
- 細かい調整を 頂点ウエイトメニュー
- ちょっと特殊なところで使える 頂点グループ
まずはウエイトペイントについて
ウエイトペイントはおおざっぱに素早く設定するのに向いています。
そこで、まずはそれぞれのボーンのウエイトを滑らかに塗っていきます。
できるだけ頂点間で極端にウエイトが変わらないように設定しましょう。
「ぼかし」ブラシを使うと自動でウエイトを滑らかにしてくれます。多用していきましょう!
おそらくウエイトペイントだけでは関節部分の動きがぎこちないと思いますが、
ここで時間をかけずに、ここからは頂点ウエイトでウエイトを設定していきます。
頂点ウエイトは、ひとつひとつの頂点に対して直接数値を入力してウエイトを設定していく方法です。
ポーズモードでキャラクターにポーズを取らせてみて、違和感のある部分を細かく直していきましょう。
頂点グループの使い方
頂点グループでのウエイト設定は、
- 大量の頂点に対し、一気にウエイトを設定できる
- 逆にウエイトを削除することもできる
- ボーンのの影響範囲を知ることができる
などの特徴を持っています。
つまり、ウエイトペイントでやっていた塗りの作業をさらにざっぱに、高速でできるということです。
私がよく使う使い方は、1つのボーンのウエイトしか設定されない顔パーツや小物系などに、そのボーンのウエイトを一括で設定したり、
ウエイトの設定をやり直したいときに削除したり、
ウエイトペイントで変なところに塗ってしまったときにそれを修正したり
といったことに使っています。結構使い道あるんですよ。
わりと時間短縮になるのでおすすめです。
ウエイト設定に関するあれこれ
ウエイトの設定をする際の
ウエイトの調整は、ボーンを回転限界角度まで回転させてからやると良いです。
なぜかというと限界角度でモデルの形が自然になるように調整すれば、その間の角度でも自然に見えるようになるためです。
逆に中途半端な角度でウエイトを設定した場合、より角度をつけたときに頂点がでこぼこになったり、破綻してしまったりします。
まとめ
スキニングの作業は、複数の要素を同時に考慮していかなければならないということをわかっていただけたでしょうか。もしスキニングをしていて問題に突き当たったときはこれらの要素を満遍なく考慮していきましょう。
次回の記事からは、キャラクターの身体の部位ごとのスキニング作業を、各要素の視点から見て行なっていく方法を紹介したいと思います。
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